「朝のリレー」谷川俊太郎
今日は体調不良のため、かたつむりのようにじっとしている。
そうじっとしていると、13時間離れた東京は、もう明日になっているのかと、ほんの僅かばかり郷愁に浸ってしまう。小学生の頃、兄が中学の課題で谷川俊太郎の「朝のリレー」を暗唱していたことを思い出した。
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カムチャッカの若者が きりんの夢を見ている時
メキシコの娘は 朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女がほほえみながら 寝返りをうつとき
ローマの少年は頭柱を染める 朝陽にウインクする
この地球では いつもどこかで 朝がはじまっている
ぼくらは朝をリレーするのだ 緯度から 緯度へと
そうしていわば交替で地球を守る
眠る前のひととき 耳をすますと
どこか遠くで 目覚まし時計のベルが鳴っている
それはあなたの送った朝を 誰かがしっかりと受け止めた 証拠なのだ
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なんて優しく、世界を旅させてくれる詩だったのだろう。眠りにつくまでの夜は寂しいけれど、始まりの朝はあたたかい。すべての子供の朝もそうであってほしい。私は、明日から、イグアスの滝から朝を受け取って、これから朝を迎えるカルフォルニアのこと想像する。毎朝きっと幸せな目覚めになる。
ブラジルからのイグアスの滝!カルフォルニアのワイナリー!旅行候補に入れておきます。
(映画)"How to Steal a Million"1966 ★★★★★
恐ろしくイケメンなPeter O'tooleとAudreyの二人を見ているだけで幸せ。